ヤマナカ技研 寝屋川の真空管アンプ専門店



トップページ サービス内容・料金 問い合わせ 修理・再生の実績 プロフィール
 

  LUX CL35の修理

「LUX CL35のボリュームを回すとRchからガリガリ音が出て使えないので修理をお願いします。」
と電話が入りました。
はい、お任せください。必ず修理して生き返らせますよ。


 LUX社のプリアンプCL35、初代バージョンですね。
 オーナーが大切に持ち込んで来られました。
 早速、電源を入れて動作確認するとRchは酷いガリ音です!
 解りました症状は確認出来ましたので、お預かりして修理します。
木製キャビネットから出して
底板、天板を外します。
天面側がLch、
底板側がRchです。
でも接点復活スプレーで
内部はベトベト!
そして基板の半田付けは
全部、手半田のようです。
キットかも?
でもリアパネルには
シリアル番号があります。
   修理開始 
メインボリューム修理
 ボリュームはNOBLE製の2連250kΩAカーブです。
 早速、取外して内部清掃にかかります。
 でも開けてびっくり、スライダー接点が曲がってます!
 コリャ駄目だ、交換しなきゃ。
 接点復活剤だけでなく開口部からも何か突っ込んだらしい。
 なんと酷い修理なんだろう、呆れましたね。
 ALPS製の27型を取付け、併せてバランスボリュームとの
 カップリングコンデンサも交換しました。

RIAA偏差調整
 次にPhonoイコライザーの性能を確認してRIAA偏差を最小に調整します。
 イコライザ素子は、スチロールコンデンサとカーボン抵抗でした。
 コンデンサ容量は狂っていませんが、抵抗は駄目でした。
 金属皮膜抵抗に交換して正確なRIAAカーブに為るように定数調整します。

老朽部品の交換
なにせ古い部品ばかりなので、寿命や老朽劣化が心配です。
電源のブロックケミコン、信号系のオイルコンデンサ、カソードバイパスのケミコン、
個別に確認すると、予想どうり全滅状態でした‥。

主電源整流直後のブロックコンデンサは、やはり容量が減少していて交換要です。
でもそれ以外のブロックケミコンは規定容量を上回っていて漏れ電流も規定値以下でした。
だから1個だけ交換します。
オイルコンデンサは全滅でした。容量値は規定値以内ですが、絶縁低下して駄目です。
400Vでの絶縁抵抗が10MΩ以下ですから、全部交換します。
フィルムコンも絶縁が悪くなってます。
この灰色のフィルムコンデンサはLUX製品に多用されていますが寿命が短いようです。
カソードバイパス用ケミコンも漏れ電流が増加しており交換です。
最後にカーボン抵抗の交換です。でも、とっても使用数が多い‥。

真空管選別
修理・調整が終わったので動作確認と性能測定を行います。
まず残留雑音
イコライザーアンプ出力は、 Lch:0.7mV、Rch:0.6mV
フリッカー雑音が大きくてミリボルトメーターがフラフラします。
ラインアンプ出力は、 Lch:0.56mV、Rch:0.62mV
イコライザーアンプよりも少ないけどフリッカーが多いです。

真空管(ECC83)を選んで、フリッカー雑音の一番小さい球を初段に当てます。
次に、イコライザー2段目の真空管は左右のプレート電圧差が
小さい球を当てて3段目ECC82カソード電圧差を少なくします。
最後にフラットアンプ初段に2番目に雑音が少ない球を当てて終了です。

選別結果
イコライザーアンプ出力は、 Lch:0.45mV、Rch:0.52mV
ラインアンプ出力は、 Lch:0.52mV、Rch:0.52mV
フリッカー雑音は、約1/3程度に減少しました。

   修理完了 


 フロントパネル、ツマミを洗浄して汚れを落とします。
 背面のRCAジャック、真空管ソケット、そして真空管ピンを磨き雑音発生を防ぎます。
 天板や底板も汚れを落として、木製キャビネットに戻します。

   性能測定 


   修理完了と試聴
 修理完了の連絡を入れると翌日にオーナーが引き取りに来られました。
 当所の検聴用システムでの試聴で満足されて、急いでお帰りでした。
 自宅システムで一刻も早く聞きたいのだそうです。
 ところでペアになるパワーアンプはMQ60だけど
 暫く休んでいたので大丈夫かな?と心配そうです。
 大丈夫ですよ、もし具合が悪ければヤマナカ技研に任せてください!
 
Copyright © 2016 ヤマナカ技研 All rights reserved.
by 無料ホームページ制作講座