原因究明
早速、電源投入して各部の電圧をチェック。
イコライザーアンプRchが異常で全く動作していません。
Lchは正常です。ラインアンプ部も大丈夫ですね。
DCサーボ異常、真空管、抵抗の不良等、原因は多数考えられます。
回路図を睨んで各部動作を検討しながら電圧を再測定します。
三段直結アンプにサーボを掛けているので少々難解です。
オーナーが、作業台横で不安そうに見ておられるので緊張しますね!。
判りました!初段ECC83電圧が異常で、全体に波及しています。
どうもプレート抵抗270kΩが断線していると思われます。
取り外して抵抗値を測定すると、やっぱり抵抗値が無限大でした。
低雑音の板形状抵抗ですが、何故断線したのでしょうか?
この抵抗は、オリジナル部品で当初から誰も手をつけていないようですし‥。
ちょうど運良く良質な抵抗在庫がありました。DALE社の金属皮膜抵抗274kΩ1Wです。
これはDAYNACO MK3の補修部品です。
念の為にLchの抵抗も交換します。左右で音質が異なると困るし
老朽劣化ならLchで再発するかもしれませんからね。
調整
抵抗交換すると正常電圧になってイコライザアンプRchが動作しました。
そして組立マニュアルに従ってサーボ回路を調整しました。
調整前はTAPE-OUTPUT端子に直流45mVが出ていましたが、
調整後には、両チャンネルとも±1mV以内になりました。
RIAA偏差、歪率、最大許容入力電圧、最大出力を確認します。
両チャンネルとも問題無く仕様どうりの性能でした。
そしてラインアンプ部も同様に性能確認します、ここも問題ありません。
さて修理は終了しましたが、あえて最終状態にはしません。
(オーナーのご希望です。)
では性能確認中に質問されたのでヒントを差し上げます!
交換すると更に音質改善する部品と、その理由を説明しました。
部分的には高音質部品に交換されていますが不十分でしたから。
今後は部品交換による音質改善効果を楽しんでください。
だってキットですから弄って楽しまなきゃ、もったいないですよ。
オーナーは来所時に、お疲れの顔だったのですが、
足取り軽く帰途につかれました。
また困ったときには連絡してください。
お待ちどうさまでした、お気をつけて!
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