ヤマナカ技研 寝屋川の真空管アンプ専門店



トップページ サービス内容・料金 問い合わせ 修理・再生の実績 プロフィール
 

  Marantz 10B(2台目)の修理

「FMチューナー Marantz 10Bを日本仕様に変更して欲しい。」
と電話が入りました。
はい、判りました御任せ下さい。




数日後に宅急便でMarantz10Bが
届きました。
早速、開梱して外観確認します。
正面、底面は問題は無さそう。
ところが背面から見ると
検波コイルケースが変です!
次にウッドケースから出して
シャーシ上面点検、
ブロックコンデンサは新しい!
良かった。
 
修理前に性能を確認します。
オーナーも受信はしていますと言ってました。
電源ON!問題無く動作を始めました。
受信周波数は87〜108MHz、ディエンファシスは
75μでUS仕様です。
感度は悪くてSN50dBには35dBV入力が必要です。
ステレオ歪率は1.5%、ステレオセパレーションは
33dBで、とりあえずFM受信は出来ますが
HiFiチューナーとしては性能不足でした。
よし、しっかり調整して最高にしてあげましょう!

修理1 受信バンド変更
 USバンド(88〜108MHz)から、JAPバンド(76〜90MHz)に変更します。
 今回は発振コイルを交換しました。高周波アンプ部はコンデンサ追加です。

修理2 ディエンファシス補正
 US仕様では75μSなので
 日本では50μSにしなくては駄目です。
 周波数特性が狂います。
 抵抗/コンデンサとも変更します。

修理3 検波コイル修理
 変形した検波コイルケースを取外して形状修正します。
 内部部品も歪んでいたので適切な位置に戻します。


修理4 ステレオセパレーション修理
セパレーション調整VRが
接点接触不良なので取り外し
交換しました。
50年も前の巻線ボリュームですから
修理5 老朽真空管交換
フロントエンド部発振菅に
6AF4が使われていたので
正規の6DZ4に交換しました。
代替品で問題無いですが
少しエミ減気味でしたから。
6DZ4は6AF4の改良型です。
性能と寿命が改良されています。

  調整
一通り修理が終了したので、各部分の調整を行います。
@検波コイルとIF回路
  ステレオ受信時をメインに調整します。
Aステレオマルチプレックス回路
Bフロントエンド、アンテナ入力部
 今回の主要部分なので、念入りに調整します。
 発振コイル交換時にシールドケースを外したのでソケット周りも綺麗にしました。
 (受信周波数調整、トラッキング調整)
 一部のワイドFMも受信できるように上限は92MHzにしました。
 Cミューティング動作レベル、ステレオ点灯レベル調整
 Dスコープ調整
 変調度は10kHz/目盛(左右)、信号強度表示は10dB/目盛(上下)の調整
 Eそしてガラスダイアル内部を分解清掃してゴミや汚れを取り除きます。
 最後に、周波数表示ラベルを貼り付けて完了です。





  測定
 調整後に性能測定しました。
 沢山の項目で煩雑なので代表的な測定結果をご覧ください。





   修理完了
 調整後、2日間エージングをかねて連続通電して放送を聞きました。
 良い音です!放送局間の音質差がよーく解ります。
 民放各局は駄目ですね。HiFiには、かなり遠い‥。
 ところがワイドFMを聞いて驚きました!
 中波放送の収録原音って良かったんですね。
 アナウンサーの声がとてもリアルでした。
 

Copyright © 2016 ヤマナカ技研 All rights reserved.
by 無料ホームページ制作講座