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  TRIO FMチューナー KT-1010の修理

FM/AMチューナー TRIO KT-1010を修理して欲しい、と連絡が入りました。
当所は真空管専門ですが、お引き受けします。御任せ下さい。




不具合内容
 @NHK-FM受信時にモノラルでも雑音が多い。
 AAMは問題無く聞こえる。
 Bステレオ受信時に歪っぽい。
 Cオートチューニングが停止しない時がある。

修理1
 最初にフロントエンドの調整をします。
 トリマーコンデンサが劣化して90MHzトラッキング調整が出来ません。
 トリマーコンデンサ交換して再調整します。高感度が復活しました。
 TRIOの共通弱点ですね、どの機種も劣化が進んでいます。
 ステレオ受信不良は、キャリアリーク/DLLD歪み補正/セパレーションの調整ズレでした。
 IF回路、MPX回路と順番に全ての箇所を再調整することで、
 オートストップ不良は直りました。
修理2
 主要回路部のケミコンを交換します。MPX回路は音質改善、IF回路はSN改善が期待できます。
 電源回路のケミコンも容量減少していたので周辺部品も一緒に交換します。
 これで当分の間温度上昇による劣化は起こりません。

  測定
 修理完了後に測定した結果です。


   修理完了
 歪み低減回路DLLDやPLL検波回路が優秀で極めて低歪です。
 TRIOブランド最後の高級チューナーで、
 ビックリする程のリアルな再現力です。
 すっきりしたTRIO(KENWOOD?)らしいヌケの良い美音が出ます。
 この性能・音質を生かす放送が少ないのが残念です。
 

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