ヤマナカ技研 寝屋川の真空管アンプ専門店



トップページ サービス内容・料金 問い合わせ 修理・再生の実績 プロフィール
 

  Mcintosh C20(4台目)


「Mcintosh C20が不調で、メインボリュームにガリがあり、「ジー」という雑音(左右共に、左の方が若干大きい?)が出る。
と連絡が入りました。
はい、お任せください。必ず修理して生き返らせますよ。
某日、オーナーからC-20が宅急便で届きました。
外観チェックで気になったのは、電源トランス後ろに「100V USE ONLY」と表示されています。
ほんまかいな?、電源トランスは交換されてないので信じられません(?)
早速、動作テストするとライン電圧が117Vにてヒーター電圧が6.3Vになります。やっぱりね!
そしてプリアウト端子には直流電圧が7Vも出ます!!こりゃあ駄目だコンデンサが劣化してます。
さてレコードを鳴らしましょう。ボリュームを上げると左右チャンネルともガリが出ます。
でもAUXやTUNERではましになります。
パネル照明も暗くて光らない部分があるから電球が切れているようですね
さあ、修理を始めましょう!


ウッドケースとトップパネルを外して
ハラワタを見せてもらいましょう。
パネルを開けて見るとメインボリューム付近は接点復活材過剰で酷い状況です。
ボリューム抵抗値補正の外付抵抗はありません。
さあ、もう一度内部確認して見ましょう。
@何度かメンテナンスされているようで電源回路のケミコンは最新部品になっていました。
A信号回路コンデンサにはオリジナルと同じバンブルビーが使われています。でも劣化しているようです。
B照明用電球は、予想通り6個のうち1個が断線していました。
C各部の電圧確認(電源電圧はAC117Vです)真空管各部の電圧は大きく狂っていませんでした。
 
 
 
   ボリューム交換
最初にメインボリュームを交換します。
純正の復刻品が入手出来ました。オリジナルメーカー(CTS)にて再生産した部品です。
ギャングエラー選別済み品なので調整用の外付抵抗は必要ありません。
左が交換前で、右が交換後です。
>
パネル修理 
このC-20は構造部品が前期生産製品と中後期の合体品です。
そして電気回路はシャーシと同じく前期型です。
古いガラスパネルは高さが取付枠よりも10ミリぐらい小さいのです。
その為にフロントパネルを止める枠がシャーシに取り付けられずにテープだけで固定されていたのです。
だから組立時にガラスパネルと取付枠寸法が合わず苦労しました。
ワッシャーとスペーサーを多量に使ってビスで固定しました。これで運搬時にも大丈夫です。
フロント部分を分解する時、ガラスパネルの印刷が「ぽろり」と落ちました!
擦れても擦ってもいないのに剥げてしまいました!幸いにも文字は残っているので光漏れに対応できれば使えます。
そこで黒い厚紙をパネル裏側に追加して光漏れを防ぎます。近づいてよく見れば印刷剥がれが見えますが
通常使用する距離では判らないので大丈夫ですね。
この時期のガラスパネルは新品が入手出来ないので仕方ありません。
パネルは前期/中期/後期/セカンドシーズンと4種類あり互換性がありません。

> > > 部品交換
雑音修理
ボリューム交換してもコンデンサが不良だとガリが再発します!
交換するコンデンサはバンブルビーではなく最新のフィルムコンデンサです。
それは必要数の確保が出来そうにないし、仮に入手出来ても良品は少なく不良症状が再発しますから。
そして音質調整に出力端子コンデンサにはアメリカン指月製を採用しました。
次に電源回路の発熱するセメント抵抗をケミコンから離して放熱の良い最新の部品に交換します。
これでケミコンの寿命を大幅に伸ばすことができます。
そしてセレクタースイッチ、モードスイッチ、などの接点を清掃します
   性能測定 
PHONO回路のRIAA偏差は、
ハイ上がり傾向ですが
±1.0dBには納まっています。
OLD-NABとRIAAの中間を
狙ったようにも見えます。
C-20は等価カーブの調整が出来ますから少々の偏差は問題ありません。


最後に内部を清掃して組立てます。
 

   納品
オーナーからコメントを頂きました
数日前にようやく開梱、音出し出来ました。
当初カセットに繋いだのですが音がパッとせずAUXに繋いだところ本来の素晴らしい音が出てきました。
アナログは「流石!」と唸るほど素晴らしい。
CDもデジタル臭くない音で、アナログに近い音質で鳴ってくれていて非常に満足です。

C-20君、精一杯頑張ってオーナーを癒してください!
 

Copyright © 2016 ヤマナカ技研 All rights reserved.
by 無料ホームページ制作講座